読者様からのメールです。
>パニックからの回復は「覚醒・アセンション」というように思うんです。
>パニックから回復された方の多くは、
>覚醒したかのように才能を発揮していく方も多いように思います。
とのことです。
覚醒・アセンションの正確な意味がわからなかったので、ちょっと調べてみました。
覚醒の基本的な意味は、目を覚ますこと・目が覚めること・迷いからさめ、過ちに気づくこと。
地道な努力や鍛錬の積み重ねによってではなく、何らかのきっかけによって突発的に潜在能力が引き出される現象。
のことを言うそうで、
きっかけは、強い恐怖や怒り、悲しみ、愛などの感情の変化・自身にはどうすることもできない危機的状況に直面・トラウマを克服する・瀕死状態。
などだそうです。
アセンションというのは、スピリチュアル用語ですかね。
(一応、軽く意味は知っていますが、今回は説明は省きます。)

私は常々、パニック障害を克服したら最強になる!と言っていますが、
それは、そういうことかもしれません。
パニック障害で、皆さんが1番怖いのは「死ぬかもしれない!という恐怖」だと思います。
確かに、めまいがしたり吐き気がしたりするのも不快ですが、怖いわけではありませんよね。
怖い!不安だ!という感情が湧いてくるのは、
やはり、「死ぬかもしれない!」という発想があるからです。
考えてみて下さい。
(実際、死ぬかどうかは関係ありません。)
死ぬかもしれない!という状況になるというのは、ものすごい恐怖です。
例えば、火事とか事故とか、私も何度かヒヤリとした経験はありますが、
あれと同じ状況が、何度も何度も突然襲ってくるわけです。
これは、かなりの恐怖です。
人間にとって、「死」というものほど怖いものはありません。
おそらく、不安や恐怖といったマイナスの感情は、
そもそもは「死」というものから発生しているのだと思います。
例えば、どうしてライオンが怖いのでしょう。
吠えるから。追いかけてくるから。咬むから。
突き詰めていけば、咬まれて死ぬかもしれないから。ですよね。
そうしたことを日常的に、それも何年間も経験していれば、
克服した時には、相当強くなっていてもおかしくはありません。
上記の覚醒のきっかけで、
強い恐怖・自身にはどうすることもできない危機的状況に直面・トラウマを克服する・瀕死状態。
とありましたが、
まさに、パニック発作なんですよね。
トラウマを克服する。というのが、
パニック発作を克服する。予期不安を克服する。と同じだと思います。
「死」の恐怖から逃げずに対峙して、それを克服できたのなら、
それは、覚醒したような状態になってもまったくおかしい話ではないと思います。
だから私は、
パニック障害の方には、この病気を乗り越えた時に、素晴らしい可能性があるのではないか?
と思っていますし、
間違った処方などで薬漬けになってしまうのは、非常に勿体ないと思っています。
パニック障害とは、以前は不安神経症と呼ばれていました。
名前の通り、パニック障害とは不安に取りつかれてしまった状態だと思います。
最初のきっかけであるパニック発作は、交感神経が過剰に緊張したことによって生じたかもしれませんが、
その後の予期不安(「また起きたらどうしよう・・・」)は、まさに不安の状態です。
最近では、パニック障害は心の病ではなく脳機能障害だという説もありますから、パニック発作を起こすのは心は関係ないのかもしれません。
ただ、その後の予期不安は明らかに心の作用ですよね。
パニック発作を抑制するには、SSRIなどお薬が効果があるかもしれませんが、
予期不安を抑制するには、認知行動療法が有効と言われています。

電車に乗る→パニック発作が起こる→また起きたらどうしよう・・・→電車に乗る→パニック発作が起こる→また起きたらどうしよう・・・→
こうしたサイクルになってしまった心を、
電車に乗る→パニック発作が起こる→冷静に対処する→電車に乗る→パニック発作が起こる→冷静に対処する→
こうしたサイクルにすれば良いわけです。
パニック発作が起きないようにしよう!ということも大事ですが、人によっては、そこは難しい場合もあると思いますので、
「パニック発作が起こる」という前提で、パニック発作に冷静に対処できる自分になりましょう!
こうした私も、約8年くらい大きな発作はありませんが、
実際は、パニック発作が起こらないという状態になったわけではなく、パニック発作が起きても冷静に対処できるようになったということです。
そうしたら、「また起きたらどうしよう・・・」と不安を感じることが少なくなりましたから、
それと共に、私の場合はパニック発作が起きることがなくなりました。
パニック障害は、不安との闘いですね。
大丈夫! 闘っているのは、あなただけではありません。
SSRIを服用し、生死の淵をさまよい、
薬で病気は治らない! 薬は止めよう! と思った私は、薬の減薬・断薬に臨みました。
医師から「依存性はない」と説明されていた薬ですが、離脱症状は激しく、
病気の苦しさよりも、副作用の辛さよりも、この離脱症状の辛さが1番ひどかったです。
常に、頭の中で、「薬」「薬」「薬が飲みたい」「薬が飲みたい」と自分の声がするため、
ベッドにしがみついて、耐えました。
起き上がってしまったら、薬を飲んでしまうと思ったからです。
自殺念慮もひどく、「死にたい」「死にたい」という自分の声と闘い、
割れるような頭痛に、このまま気が狂ってしまっても仕方がない!と覚悟して、就寝したこともあります。

3か月くらいすると、激しい離脱症状は去り、軽いうつのような状態になりました。
パニック発作への予期不安もありましたが、少しずつ体調が安定してきました。
そこで私は、健康や病気に関する本を手当たり次第読み、
今までの、病院に行けば治る! 薬を飲めば治る!という考えは間違いだったということを知りました。
それまでは胡散臭いな・・・と敬遠していた、東洋医学や代替療法なども積極的に試してみました。
それから、約8年。
発作なし・薬なし・通院なしで、幸せに暮らしています。
このブログでは、
闘病生活の中で気づいたこと、治癒に向かう道で勉強したことなど、
医師や専門家の方とは違う、元患者・経験者の視点での情報を提供できたらと思っています。
つづき⇒プロフィール・特別編 ~夢のはじまり~
初めて行った心療内科でもらった抗不安薬を服用して、2週間。
薬を飲めば治る!と思っていた私は、まったく改善しない症状に、
もう一度、病院に行きました。
私「全然よくなりません」
医師「長年かけて病気になっているからね。そんなすぐには治りませんよ」
私「・・・・・・・・・・・・」

そこから、4軒の心療内科・精神科と、数軒の病院、
数えきれないほどの精神薬・薬を処方され、服用しました。
2001年の春~2005年の春まで。
大学4年の春から26歳の春までです。
薬を飲めば治る!と思っていた私は、
ひたすら、自分に合う薬、自分を治してくれる病院を探して、
病院巡りをし、多種多量の薬を服用していました。
最後に出会った薬が、SSRI、パキシルとルボックスです。
2004年の冬、私は生死の淵を彷徨いました。
*精神薬については、「薬のおはなし」というカテゴリーに記事があります。
その経験により、
薬では、病気は治らない!
薬を飲むのは、もう止めよう!
と決心し、
今の私があります。
薬に関しては、賛否両論、いろいろとあると思います。
私も、薬に助けられた部分は確かにありますので、全面的に否定するつもりはありません。
専門家ではないので、薬について言及することは出来ませんが、
服用していた元患者として、経験したこと、感じたことをこのブログでは紹介したいと思います。
つづき⇒プロフィール⑤ ~薬からの離脱と治癒への道~
大学4年になり発作もひどく体調不良もひどくなった私は、一人暮らしは断念して、実家に戻りました。
この状態では、就活もままならない・・・どうしよう・・・と思っていたある日、
ふと読んだ新聞の人生相談に、私の症状とまったく同じ悩みが掲載されていました。
人込みや電車に乗ると、
吐き気・めまい・動悸・死ぬかもしれない!という恐怖に襲われます。
しかし、病院に行っても、体に異常はありません。
最近では、またあの発作が起きるのではないか?と思い、家から出ることも怖くなってしまいました。
まさに、私です!!!
そして、新聞の回答は、
それは、パニック障害という病気です。
心療内科または精神科に行き、抗うつ薬を飲むと治ります。
救いの光が差した。
当時の私は、そう思いました。
原因がわからないまま、いつ起こるかわからない発作に怯えた4年間。
そうか!
これは、パニック障害という病気だったんだ。
そして、
心療内科に行って、薬を飲めば、治るんだ!
そう思った私は、心療内科を探し始めました。

初めての心療内科は、静かで落ち着いた病院でした。
まず、問診票に自分の症状を書き、心理テストに回答し、臨床心理士の方と面談しました。
そして、医師の診察です。
その時の診断名は、「抑うつ神経症」でした。
軽い抗不安薬を2週間分もらい、その日は帰宅しました。
薬を飲めば治る!と思っていた私は、2週間飲めば治ると思っていました。
初めて病院に行った日のことは、忘れません。
医師に説明されたように、家族にも説明しました。
「薬のせいで、たくさん寝てしまうかもしれないけど、これを飲めば治るから大丈夫だよ!」
喜びと期待でいっぱいでした。
これで、普通の生活に戻れる!
昔のように、どこにでも行けるし、何でも出来るようになる!
この時は、まだ、
悪夢のような闘病生活が、ここから数年間も続くとは思ってもみませんでした。
つづき⇒プロフィール④ ~病院巡りと薬漬けの日々~