パニック障害の方で、ヒステリー球と嘔吐恐怖を併せ持つ方は多いようです。私もそうでした。
一時期は、本当に24時間365日吐き気。
今思うと、吐き気というよりもヒステリー球なのですが、当時はそうした名称を知りませんでした。
とにかく1日中吐き気がする。しかし、吐けない。というか、吐きたくない。吐いたら、どうしよう・・・。吐くのは、怖い・・・。そんなかんじでした。
吐くという行為にトラウマがあったわけではありませんが、吐くことで胃の中のものが戻ってきますよね。それで喉が詰まって、死んだらどうしよう・・・と本気で思っていました。
また、食べ物を食べなければ吐くこともないだろうと考え、極力食べずにいたところ、体重が34キロ位になって医師に注意されたこともありました。
とにかく、吐くことが怖くて、なのに1日中吐き気がして、すごく辛い日々でした。といっても、それが4、5年続いたと思います。
もちろん、吐き気がすると訴えると、胃腸科で胃カメラをすることになるのですが異常はありません。
喉の部分に何か違和感があって、喉を締め付けるような洋服(タートルネックやネックレス)は着れませんでしたし、ブラウスのボタンを1番上まで留めるのも無理でした。
でも、吐いたことは、1度もなかったんです。というか、吐けなかったんです。
私は臨床心理のカウンセラーの先生の所にも通っていたので、
その先生に精神分析の観点から、、「何か吐き出したい思いがあるのだけど吐き出せないでいる。無理はしなくて良いから、紙に書いてごらん」と言われました。
数年間は何も出てはこず改善もしなかったのですが、ある時、バアーーー!っと過去のイヤな記憶が浮かび上がり、その時はあまりの辛さに頭が耐えられず処方されていた睡眠薬を大量に飲んで寝てしまいました。(ODにはならない程度だったと思います)
一度思い出した記憶は頭から消えることはなく、その後も私を苦しめます。
しかし、一度思い出してしまうと、体や心に対する負担はそれほどでもなく、思い出すたびに怒ってみたり・泣いてみたり・絶望してみたりというかんじで、そうした感情も年が過ぎるたびに軽くなっていきました。
それと共に吐くということも怖くなくなってきて、嫌な記憶を思い出してしまう時は、その記憶を体の中から吐き出すように実際にも吐いてみたりもしています。
(拒食症の方などは、この方法はやめて下さい)
心と体の関係というのはまだまだわかっていないことが多く、また心のメカニズムもわかっていないことが多いと思います。
過去は記憶の中にしか存在しない。という考え方もありますが、無意識の中に全部貯蔵されている。という考え方もあったり、過去にあった出来事が、今の自分にどのように関係しているのか。
記憶では忘れてしまっている出来事が、実は、今の自分にものすごく作用している可能性はあります。
嘔吐恐怖がある方が、もしある日急に過去のイヤな記憶を思い出したりしたら・・・。
冷静でいられないかもしれませんが、受け止められないことはありません。
今の時点で、受け止められない記憶は、表には出てこないと思います。
表に出てきたということは、受け止める準備が出来たということ。
思い出した一瞬は、ものすごく辛くて、卒倒してしまったりもするかもしれまん。
でも、落ち着けば、少しずつ、受け入れることが出来るはずです。
もし、そうしたことが起きたら・・・、焦らずに。。。
といっても、かなりの衝撃だとは思いますが・・・。
あとは、怖れずに、吐いてしまうしかないと思います。
大丈夫です。